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中国の利上げ 功を奏すか――専門家から懐疑的な見方

2011年01月08日

【新唐人日本2011年1月9日付ニュース】中国の中央銀行、中国人民銀行は、先日、利上げを発表。インフレを抑制するためですが、専門家はその効果に懐疑的です。

 
中国人民銀行は12月25日、利上げを発表。1年物の定期預金と貸し出し金利を、それぞれ0.25%引き上げ、26日には、公定歩合も1.8%から2.25%に上げました。1年物の再貸し出し金利は3.33%から3.85%としました。
 
台湾経済研究院の楊家彦氏によると、中国人民銀行は利上げをしたものの、年明けからインフレの悪化の兆しが見られる、何度利上げをしてもインフレ圧力を弱められない、一旦、民衆の心に物価上昇の懸念が生まれれば、状況は制御しにくいと分析。
 
中国国際経済交流センターの王軍研究員は、ゆがんだ利率は必ず価格のゆがみを招くと指摘。今回利上げをしても、物価上昇率に追いつかないので、利上げの余地はまだ残っていると述べます。
 
モーガン・スタンレーの経済学者、王慶氏は、2011年の前半、中国はさらに2、3回利上げをするだろうと予測しました。
 
インフレが深刻なため、たとえ0.25%利上げをしても、インフレの延びには追いつきません。よって、庶民にとっては、インフレで生活コストが上がります。中国の一般家庭のエンゲル係数は、およそ50%。食品価格の上昇が、大陸市民の生活を直撃しています。
 
また2兆ドル近い、家庭の預金の利息も、インフレに追いつきません。1年物の定期預金の利息は2.5%。一方、11月の消費者物価指数の伸びは、5.1%なので、家庭の預金は、1年で520億ドル(約4兆3,000億円)も目減りしました。
 
台湾大学の経済学科教授 張清溪氏
「今 通貨の量と物価の関係は昔のように直接的ではなく、大部分の通貨は物品と交換するのではなく、90%ひいては99%が通貨との交換です。新興国家はそうです。株や先物取引のマネーゲームが主です。だから通貨の供給量を減らしても、物価の抑制は困難です。中国では特に政府と市場独占力が強い中、人民銀行が利上げしても、物価の抑制は難しいでしょう」
 
アメリカ・サウスカロライナ大学の謝田教授は、“中国ではほとんどの貸し出しが政策融資なので、預金準備率を上げても貸し出しはそれほど減らない。中央銀行の目的は、通貨の供給量を減らして、インフレを抑えることにあるが、具体的にどう作用するのかはまだ観察が必要。しかし、去年の様子を見ると、預金準備率を上げてもインフレには有効に働かないだろう”と述べました。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
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